究極のSMプレイ～嘱託殺人～
今まで読んだ判例の中で，特に衝撃的だったものを紹介します。
これから事案を書きますが，脚色は一切せず，判決文からそのまま引用します。もう一度言いますが，脚色はしていません。裁判所が真面目にこんな事実認定をしている，ということを知ってください。なお，大阪高裁判例であることからもわかるように，関西で起こった事件であり，セリフは関西弁です。脳内で関西弁で再生すると，臨場感が味わえます。
では，事実の概要です。
大阪高判平成10年7月16日
（判例時報1647号156頁，判例タイムズ1006号282頁）
１ 被害者X（29歳男性）は，複数の風俗店に依頼して自宅まで男性従業員に来て貰い，2万円ほど払って拳で下腹部を殴ってもらうSMプレイ（以下「殴打プレイ」という。）を行い，快感を得ていた。
２ ある日，被告人甲がXの自宅に殴打プレイをしに来た際，Xは，台所から包丁を持ち出し，「頼みごとがあるんですよ」と言いながら，「バサーッと刺してもらえませんかねえ。」などと甲に頼んだ。Xは甲に対し，報酬として800万円を支払う用意があることも告げたが，甲はこれを拒否した。
３ その後も，Xは下腹部の傷を見せながら，「自分でやりました。ここに甲さんに包丁でグサーッと刺されていることを考えとったら，もう我慢できないんですよ。」などと甲に言うなどしていた。そのたびに甲はこの依頼を断ったが，報酬として800万円をもらえるという話に興味を持つようになった。
４ Xは甲に，「バッサリやって欲しいんです。お腹に入ってるもん全部出して殺して欲しいんです。」などと電話で告げると，甲は「わかりました」と言って電話を切った。
５ その6日後（犯行の前日），Xは甲を指名してXの自宅に呼び出し，打ち合わせを行った。「お金はコインロッカーに置いています。」「明日，やってもらう時にコインロッカーのカギを渡します。」などと言った。打ち合わせの際，Xは「格好良いですねえ。明日僕甲さんに殺されるんですねえ。無茶苦茶興奮してきたわ。早く明日にならへんかなあ。」などと嬉しそうに言うので，甲は，「これで明日バッサリやったるから。明日まで待っときや。」などと応じた。
６ 翌日，甲はためらいながらもXの自宅に赴き，玄関の新聞受けに差し込まれていた黒色の革手袋を着用し，室内に入った。甲は，Xに，「ホンマにかまへんねんな。」と聞いたところ，Xは「お願いします。」などと返事をし，甲にコインロッカーのカギと前金の30万円を渡した。
７ Xはいつもの殴打プレイをする場所に言って，壁を背にして立った。甲は，Xがうなずくなどしたのを見た後，「成仏しいや。」と声を掛けると，Xが目をつぶり，うなずいたので，サバイバルナイフをXの下腹部に一回突き刺し，殺害した。
８ 甲は，犯行当日の夜，Xに教えられたコインロッカーに現金を取りに行ったが，中は空であった。
どうだったでしょうか。かなり衝撃的な事案だったと思います。判決文の中で，この殺人依頼を「究極のSMプレイ」と表現しています。
ところで，殺人罪は，刑法199条にあたり，法定刑は「死刑又は無期若しくは5年以上の懲役」です。
刑法199条（殺人）
人を殺した者は，死刑又は無期若しくは五年以上の懲役に処する。
一方で，202条は次のように定めています。
刑法202条（自殺関与及び同意殺人）
人を教唆し若しくは幇助して自殺させ，又は人をその嘱託を受け若しくはその承諾を得て殺した者は，六月以上七年以下の懲役又は禁錮に処する。
このように，被害者の嘱託があれば，刑が大幅に軽くなります。
では，被告人甲には，どのような刑が下されたのでしょうか。
結果は，懲役4年です。大金を得るために殺人すら厭わないという甲ですが，悔悟していることもあり，このような刑になりました。
なお，この事案は以前，神戸大学の刑法の授業のレポート問題として出題され，Twitterで話題になっていました。
以上，興味深い判例の紹介でした。また何かあれば紹介します。
香港2016～2日目①～
皆さん，こんにちは。今日は香港2日目について書きます。
朝食はこちらの「源記餐廳」にて。餐廳とは，広東語でレストラン，の意味です。レストランと言っても，日本で言う喫茶店くらいのイメージです。香港では，自宅ではなく外で朝食を食べるのがポピュラーです。
パイナップルケーキ。
朝食を取ったら，スターフェリーで香港島に移動します。風が気持ちよい。
チケットではなく，このようなトークンを購入して乗船します。もちろんオクトパスカード（日本で言うSUICAやICOCAの類）も利用できます。
手相が写っているので，だれか手相占いでもしてください。
まずはMTRに乗って香港大学に向かいました。意識が高いので，大学見学です。
観光スポットではなく，大学の中なので，自撮りするのはちょっと恥ずかしい（笑）
学生のフリをして建物の中にも潜入しました。怒られるかな^^;
昼食は「蓮香楼」にて飲茶。名店です。
ローカルなお客さんばかりで，しかも相席です。お茶の入れ方がわからなかったのですが，隣のおじさんが教えてくれました。
ワゴン式飲茶の店で，食べたいものを選んで，伝票にハンコを押してもらう方式です。
（次の写真の右側に少し写っているのが伝票です）
美味しかったけど，予想より高かった。まあ，「せっかくだから」と言って色々食べ過ぎたの原因なのですがw
午後はトラムに乗ったりしたのですが，それはまた次回の記事で。
香港2016～1日目②～
皆さんこんにちは。前回のブログから，
昨年（2016年）の9月に香港に行ったときのことを書いています。前回は1日目の飛行機に乗って香港につき，一旦ホテルにチェックインしたところまで書きました。
今日は1日目の後半を書いていきます。尖沙咀（チムサーチョイ）のホテルから佐敦（これはJordanと読みます）へ，MTR（地下鉄）で移動。歩いて行くこともできるのですが，とにかく腹が減っている！（笑）←日本時間14:30です。白加士街の「麥文記麵家」という店に行きました。英語のメニューがなさそうなので，味の前に貼ってある写真を眺めてメニューの漢字を覚え，それと同じ文字をテーブルのメニューから探して指さして注文しますww
麺に埋まってしまっていますが，エビワンタンが入っています。おいしい。
その後，一旦ホテルのある尖沙咀に戻って両替。こちらは有名な「重慶大厦」（チョンキンマンション）。アラブ系，インド系の皆様が客引きに励んでいらっしゃって，中は非常にアヤシイ。1階のフロアには両替屋やプリペイドカード屋などが並んでいて，カードあるよ，などと声をかけてきます。目を合わせたら負けです。
日本や香港の正規の銀行でするよりも，はるかに良いレートで両替できます。両替店が多数あるので，よく見比べて，良いレートの店を選びましょう。騙されたりしないか心配する人もいるかもしれませんが，それは，その場でしっかり確かめないとダメです。でも，確認したところ，ちょろまかされたりはしていませんでした。
さらにMTRで旺角へ。女人街（ノイヤンガイ，Ladies' Market）に行きました。
女子大生に大人気のanelloのリュックがたくさん売っていました。日本で見かけない柄ばかりなので，まあ半分以上は偽物でしょう。画面中央に写っている白人は，仲間と一緒に万引きしているのを見ましたが，さすがに見て見ぬふりしました^^;
油麻地（ヤウマティ）の男人街（ナムヤンガイ）で夕食。
日本人など皆無だし，英語も全く通じません。広東語しか通じない。注文にも非常に苦労したけど，こういうところで広東語で注文してみたいなあと思ったので，今年は大学で広東語を勉強しています（この話はそのうちもう少し詳しく書きます）。
一旦ホテルに戻って着替えて（ドレスコードあり），尖沙咀のバー，「Aqua Spirit」へ。
あ，未成年飲酒！って思いました？香港では，18歳から飲めるんです。香港国内では，日本人にも香港の刑法が適用されるので，問題ありません（刑法学の言葉では属地主義と言います）。合法です。
港と夜景。最高ですね～。
とても楽しい一日でした。
香港2016～1日目①～
皆さん，こんにちは。
今日は，もう1年ぐらい前（2016年9月）の話なのですが，香港に行った話を書きます。
香港には，高校生の時に1回いっているので，これが2回目。そして今年（2017年）の9月にも行きますので，これで3回目になります。2回目と3回目は1人旅です。
なぜそんなに香港にはまっているか？それはこれから数回のブログで，また，1か月後に3回目の香港についてのブログで，共感を得られたら非常にうれしく思います。
さて。早朝4時に起床して自宅を4時50分に出て，御堂筋線に乗って難波へ。難波で南海電車に乗り換えて関空へ。Peachなので第2ターミナルです。御堂筋線で同じスーツケースの人がいたのを覚えています。色も全く同じでした。あと，これはつい先日ですが，また，同じスーツケースの人を，今度は大阪モノレールで見ました。同じ人かな？まあ，Yahooショッピングの上の方に出てきたやつだから，いろんな人が持ってるか（笑）
関空に早く着きすぎて，出発までロビーでひたすら寝ていました。第2ターミナルだから，買い物する場所も全然ないんです。麻生セメントのポスターがそこら中に貼られていたが。
8時50分，PeachのMM063便に乗り込む。
滑走路を歩いて移動するタイプでした（笑）
LCCは初めてでしたが，別にそんなに狭いとも思わなかったです。飲み物が出てこなくてもかまいません。
香港国際空港に到着。ほぼ定刻（11時45分）でした。LINEのログを見ると，正確な時間がわかる。本当に便利ですね。天気は晴れ，30℃でした。
入国審査の時って，
"What is your purpose for your trip?"
とか，
"How long are you staying?"
とか，聞かれるつもりで英会話の練習をしたりするものですけど，アジアって本当に何も聞かないよね。ちらっと見て終了～。アメリカはそこのところ，しっかりしているような気がします。
荷物受け取りで散々待たされたが，トータルで見れば空港を割とサッと出られました。
空港から九龍駅までは，エアポートエクスプレスで。切符はあえて片道$90で購入。帰りは香港駅から乗るためです。
九龍駅からホテルまでは，シャトルバスが出ているのですが，そのシャトルバスは何種類かあり，予約してある安宿を言ったらなんとなく恥ずかしいので，近くの高級ホテルを言ってみたら，結果的に変なところにおろされてしまいました。んー，見栄を張るもんじゃありませんね。
今回泊まったのはKimberley Hotelです。中国語でホテルは「酒店」と言います。お酒屋さんではありません^^;
部屋はまあ普通です。
ベッドが2つありますけど，一人旅です。部屋についたら時刻は13:30（日本時間で14:30）。おなかがすいたので，ひとまず昼食ですが，ここからは次回に回します。
まさみの部屋，はじまりまじまり
皆さんこんにちは。「まさみの部屋」というタイトルでブログを始めたいと思います。
ブログと言えば，昔（高1ぐらいのとき），アメブロをやっていたのですが，今では全く動かしていないので，新しく始めることにしました。
なんで今更ブログ？と思われるでしょうけど，普段はTwitterでいろいろなことを発信しているのですが，残念ながらTwitterでの発言は次から次へと増えるので，残しておきたいなあと思うことも，どこかに埋もれてしまうのです。
そこで，特に残しておきたいと思うものを保存するスペースがこのブログです。だから，何か新しいことを発信するというよりは，書庫のようなものだと思ってもらえれば幸いです。
ですので，Twitterの大量生産・大量消費型で足りている場合には，このブログは用無しですから，1か月以上放置みたいなこともあるでしょう。
予定としては，旅行記とか，映画やテレビや本の感想とか，料理記録とかを書く予定です。人が見て面白いかどうかは知りません。そういう意味で，「日記帳」だと思っています。でも，人の日記帳をのぞき見するのって，たぶん楽しいでしょう？
というわけで，こんな感じのゆるゆるで始めます。たぶん更新頻度は高くないですが，更新したらTwitterで言うので，毎日チェックする必要はありません。（←誰がするねん）
まあよろしくお願いします。
